Friday, March 25, 2011

次世代エネルギーはどんなものか

 いま話題の原子力発電も,火力発電も,水力発電も,風力発電も,地熱発電も,波力発電も,磁石とコイルからなるモーターを回転させることによっておこる 『電磁誘導』 によって電気をつくり出しているという点では同じである
 唯一の例外は太陽電池だろう
 太陽電池は,光がモノに当たったときに放出される光電子を集めて,それを電流にしている
 いずれの方法も,エネルギー変換の効率は,すこぶる悪い

 これら人間の手によるエネルギー変換と比べたとき,それらをはるか凌ぐ高効率のエネルギー変換が生物の細胞内で起こっている
 植物の葉緑体では 『光合成』 によって太陽光を炭水化物の化学エネルギーに変換しているし,一方,ミトコンドリアでは 『呼吸』 によって有機物に蓄えられた化学エネルギーを,より利用しやすいリン酸化合物の化学エネルギーへと変換している
 また,呼吸も,光合成も,膜のプロトン濃度勾配という電気エネルギーによって仲介されているという点で似ている
 呼吸でつくり出された化学エネルギーは,細胞内外のタンパク質の形を変化させ,最終的には筋の収縮細胞膜の電気現象をひき起こす

 次世代のエネルギーの開発というのは,新しいエネルギー源を見つけるというより,むしろ我々が入手できるエネルギーをいかに効率よく電気エネルギーに置換するかという点に絞られるんじゃないだろうか
 おそらくそれは従来の磁石とコイルを使ったものではなく,むしろ上記の光合成や呼吸にみられるような生体内のエネルギー変換機構を巧みに利用するか,あるいはそれと似たものを人為的に作りだすことによってもたらされるんじゃないかと思うがどうだろう

 

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